全てのはじまりは博多曲物から

Acta's history

福岡 筥崎宮

株式会社アクタの礎となった柴田家は、江戸時代より器作り、中でも伝統工芸品である「博多曲物(まげもの)」作りを家業としてきました。アクタの歴史を語るにあたって、まずはその「博多曲物」とはなにか?をご紹介します。

現在、福岡県知事指定特産工芸品として30品種指定されていますが、福岡市には次の3種類があります。

1.博多曲物 2.博多鋏(はさみ) 3.博多独楽(こま)

曲物(まげもの)とは、木製容器のことです。経木(容器の原材料)を加工する場合、木材が弾力の限界を超えてもなお、屈折して折れたり破損したりしないものを曲従性があるといいます。樹木の種類では針葉樹系が最も曲従性が高く、桧・杉・栂(とが)・エゾ松・桂などの現代では高級材として使用されている樹木を使っていろいろ加工しながら作ったのが曲物です。曲物は大昔から日本中で作られていたらしいのですが、その中でも有名なのは秋田県体館の「曲わっぱ」、山形県酒田の「弁当」、飛騨高山の「春慶塗」、そして曲物発祥の地とされている福岡県博多の「筥崎曲物」などがあります。「曲物」の歴史は大変古く、古代にさかのぼります。福岡市の郷土史の中に「馬出の曲物は、応神天皇の胞衣(衣服)を収める筥を製した縁故により、筥崎の祭典具を調整したことから発達した」というような記述があるようです。応神天皇の生誕は西暦200年ですから、1800年以上も前から「博多曲物」の前身は存在していたことになります。最初は神社や仏閣、そして朝廷・公家邸など限定的に使用されていたのがだんだんと末端まで広がり、江戸時代になると一般庶民の家庭でも使用されるようになっていったのです。

ぽっぽ膳

「博多曲物」の代表的な品種は「曲わっぱ」「三宝」「松花堂」などがありますが、面白い名前では「ぽっぽ膳」があります。杉材の浅いお盆に松竹梅と鶴亀が泥絵具で書かれていて七五三の祝い膳にも使われていたそうです。柴田家はその「博多曲物」を何百年もの間作り続けてきた家系なのです。